
暑い日が続くと、
スポーツドリンクや炭酸水に手が伸びますよね。
熱中症対策としては、とても大切なことです。
でも最近、
冷たい飲み物で歯がしみたり、
歯の表面がなんとなく透けて見えたりしていませんか。
それは虫歯ではなく、
「酸蝕歯(さんしょくし)」かもしれません。
この記事では、夏に酸蝕歯が増える理由と、
水分補給を続けながらできる予防のコツを、
歯科医師の視点で解説します。
なぜ夏に「酸蝕歯」が増える?3つの理由

酸蝕歯とは、飲み物や食べ物に含まれる酸によって
歯の表面のエナメル質が溶けてしまう状態のことです。
虫歯菌が原因の虫歯とは、まったく別のものです。
夏は、この酸蝕歯が起こりやすい条件がそろっています。
1. 酸性の飲み物を口にする回数が増える
スポーツドリンク、経口補水液、炭酸水、
そしてお酢の入った健康ドリンク。
熱中症対策として選ばれるこれらの飲み物は、
実は酸性度の高いものが少なくありません。
歯のエナメル質は、
pH5.5前後より酸性が強い状態が続くと溶け始めます。
2. 「ちびちび飲み」で口の中が酸性のまま
夏はペットボトルを手元に置いて、
少しずつ飲み続けるスタイルになりがちです。
一度にまとめて飲むより、
時間をかけて飲むほうが、
口の中が酸性にさらされる時間は長くなります。
3. 汗と脱水で唾液が減っている
唾液には、酸を薄めて
口の中を中性に戻してくれる働きがあります。
ところが夏は、汗をかいて体の水分が減り、
唾液の量も少なくなりがちです。
守ってくれるはずの唾液が減った状態で
酸性の飲み物を飲み続けると、
歯はいつもより溶けやすくなってしまいます。
見逃さないで!酸蝕歯の要注意サイン

酸蝕歯は、虫歯のように黒くなるわけではないので、
気づくのが遅れやすいのが特徴です。
次のような変化があれば注意してくださいね。
・冷たいものがしみるようになった
・歯の先が透けて見える
・歯の表面のツヤがなくなってきた
・歯がなんとなく黄ばんで見える
・歯の面が丸みを帯びて、平らになってきた
・詰め物のふちが浮いて見える
歯が黄ばんで見えるのは、
エナメル質が薄くなり、
内側の象牙質の色が透けているためです。
こんなときは歯医者へ|受診の目安

次のような場合は、
一度歯科医院で状態を確認することをおすすめします。
・しみる症状が2週間以上続いている
・食事のたびに痛みが出る
・歯の形が変わってきたと感じる
・スポーツドリンクや炭酸を毎日飲む習慣がある
・逆流性食道炎の治療を受けている
酸蝕歯で一度溶けてしまったエナメル質は、
自然に元どおりには戻りません。
ただし、進行を止めることはできます。
早い段階であれば、
飲み方の見直しやフッ素の塗布で
十分に対応できることも多いです。
気になる段階でご相談いただくのが一番です。
今日からできる!酸蝕歯を防ぐ3つの習慣

水分補給をやめる必要はまったくありません。
飲み方を少し変えるだけで、歯は守れます。
1. ちびちび飲みをやめる
スポーツドリンクや炭酸を飲むときは、
時間を決めて飲みきるようにしてください。
デスクに置いて少しずつ、が一番リスクの高い飲み方です。
普段の水分補給は、
水や麦茶を基本にすると安心ですね。
2. 飲んだあとは水で口をゆすぐ
酸性の飲み物を飲んだあと、
お水を一口飲むかうがいをするだけで、
口の中の酸をかなり洗い流せます。
外出先でも、すぐにできる方法です。
3. 飲んだ直後の強い歯みがきは避ける
酸で一時的にやわらかくなった歯を
すぐにゴシゴシ磨くと、削れやすくなります。
まずは水でうがいをして、
少し時間をおいてから、
やさしい力で磨いてあげてくださいね。
まとめ:水分補給は続けながら、歯も守る

熱中症対策の水分補給は、
夏を元気に乗り切るために欠かせません。
大切なのは、やめることではなく、
飲み方を整えることです。
ちびちび飲みをやめる。
飲んだあとに水でゆすぐ。
普段は水や麦茶を選ぶ。
この3つを意識するだけで、
歯が溶けるリスクはぐっと減らせます。
はしもと歯科クリニックでは、
歯のしみる症状のご相談や、
エナメル質を守るフッ素塗布も行っています。
夏の間に気になる症状が出ていたら、
そのままにせずご相談くださいね。




